平成5年、それまでの和田はたおり保存会から思いを同じくする8名

で「手織りの仲間さくら」が結成され、和田地区の旧家から発見され

た明治時代の『綾織口伝集』等、全四冊の解読と 実際の布に復元

する作業に取り組むことになりました。 発見された『口伝集』の中に

は一見したところ、幾何学模様か、楽器の譜面かと思わせるような

図形がぎっしり書き込まれていました。しかし、これは紛れもなく 当

時(明治時代)の織物の織り方を記した図だったのです。

 


 実際の『口伝集』にはこのような
 織り方を伝授するための図形が
 描かれていた。

「手織りの仲間さくら」は ここに記載されている文様約250種類の

全てを実際の布地として復元させるという 気の遠くなるような作業

に着手したのです。言うまでもなく、この作業は複雑で忍耐と繊細

さを必要とする仕事です。それでも直面する問題を克服しつつ試行

錯誤の末、まず130種類を実物として織り上げ平成8年5月に佐倉

市立美術館で発表するに至りました。

 


度重なる検証作業の末ようやく
130種類を織り上げ展示会を
催すに至る。

そして、その時の資料を基に平成9年10月に『口伝集』の 復刻版

ともいえる「甦る口伝集」の発刊に漕ぎ着けました。この分野では

画期的な 一冊となり、各方面から高い評価とご支援を頂くことが

出来ました。予想を越えた 反響の大きさに、未着手となっていた

残り110種類の復元への挑戦が始まりました。

 


 『甦る口伝集』

予想通り、前回にも増して多くの問題が立ちはだかる中、どうにか

110種類についても無事織り上げ、ついに『口伝集』全種類を再現

することが出来たのです。そして これを基にして平成13年9月、

前刊の続編となる「続 甦る口伝集」の発刊となりました。

両冊子の紹介

 


『続 甦る口伝集』

 そして、実際に織り上げた布地については、平成11年10月に130

種分を『口伝集』の織り見本 として集大成した『甦る口伝集実物布

集帳』(実物布130枚、四方帙入り、30部)を完成 させ、1部を佐倉

市立和田公民館に寄贈しました。そして現在では残り110種類の

実物布地も『続 甦る口伝集実物布集帳』として完成しており、これ

により両実物布集帳を合わせて明治時代、佐倉市和田地区に遺さ

れた織り方247種類を余すことなく忠実に再現するに至りました。

実物布集帖の紹介

 


『甦る口伝集実物布集帳』と      
   『続 甦る口伝集実物布集帳』
それぞれ実際に手織りした織り見本
が全て収められている。

この度『甦る口伝集』『続 甦る口伝集』『甦る口伝集 新加スりおり』
『甦る口伝集実物布集帳』『続 甦る口伝集実物布集帳』 が
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